公開日 2024年06月28日
雲見の波止場に石花菜増殖の業績を讃え、昭和27年建立した幅1.15m、高さ2.34mの記念碑がある。
碑 文
表
碑 業者 初代組合長 渡辺偆次郎氏
事労 第二組合長 美沢平五郎氏
徳 菜功 第十二代組合長 高橋勘太氏
花殊 静岡県知事 斉藤寿夫 書
頌 石特
裏
業績を頌えて
明治三十五年漁業法公布せられ、当時施行中の漁業組合準則により明治三十六年五月雲見漁業組合を設立し、渡辺偆次郎氏が初代組合長に就任。地先専用漁業権設定に絶大な努力をしたが、当時石花菜の繁殖は極めて微々たるものであった。
明治四十四年、美沢平五郎氏が第二組合長となるに及び、石花菜漁業の将来性を考え、県当局の助力を得て沿岸投石、雑草刈取、種苗の移植等に心血を注いだ為、年を経るに従い石花菜浦として世に識られるに至った。然しながらその採取権は浦受人に売却して、利益の大部分は浦受人の利するところとなったんである。昭和四年、高橋勘太氏が第十二代組合長となるや、従来の売浦の不利なるを憂い組合経営の改革を企て、各地の石花菜経営状況を視察研究して特殊の採草技術を導入し、昭和六年一月遂に売浦の旧慣を打破し、自営浦として組合自ら経営する基礎を築いた。爾来、組合員の操業に参加するもの次第に増加し、遂に組合員生計の一大資源として、今日の盛況を見るに至った。もとより、この成果は歴代の組合長始め役員と組合員とが協力一致、組合の発展に努力した結果に他ならぬのであるが、特に前三氏の功労は没すべからざるものであるので、ここに頌 徳碑を建立してその功績の一班を録して後世に伝える。
昭和二十七年十月
雲見漁業協同組合
参考文献
松崎町史資料編 漁業編(平成八年三月 松崎町教育委員会発行)