公開日 2021年02月22日
所在
石部98
祭神
大山祗命
由緒
式内社で、延喜式神名帳には「伊志夫神社」、また伊豆国神階帳によれば「従四位上いしひの明神」と記されている。創立年月は詳かではないが、往昔、石部の神田の地から遷祗したという。神田に雌雄の大岩があり、雄石の頂部に神火を燃やした跡という凹みがある。この岩に神が宿るとして火を燃やして、海上交通の目印とし、交通安全を祈っていたが、時移りやがて神社を建立したのがはじまりではなかろうか。
室町時代の天文12年(1543)の棟札には「石火大明神宮」とか「伊豆国仁科庄雲見郷石火村」の記載があり、当時村名は「石火」、社名は「石火大明神」と称していた。伝承によると、江戸時代になって村に度々火災があり、村人が「火」の字を嫌い「石部」と改めたという。現存する前記天文12年および元和7年の棟札は後年になって訂正した跡が明らかで、もと「石火大明神」、「石部村」とあったのを、それぞれ「石部大明神」、「石部村」と1字ずつ書き直したものと思われる。なお棟札三(寛永15年・1638)以降は、当初から石部と書かれている。
寛永15年以降の棟札になると、三嶋大明神の名称が用いられ、江戸時代はずっとこの名称であった。漁業の神として広く信仰を集め。この宮の金の御幣を振ると魚が招き寄せられたと伝えられている。なお増訂豆州志稿には「此神ノ古キ午王(午王宝印の略で、厄除の護符)松崎村ニ存ス、石火宮宝印ト刻ス」との記録がある。
例祭日
1月17日
また、5月、9月の17日にも御石講と呼ばれる祭典がある。
例祭日の行事
1月17日、太鼓の「ネリ」が集落内を巡回し、18日、悪魔拂いの神事を行う。
殿宇
拝殿 文政11年(1828) 造立
覆殿 造立年不詳
本殿 寛政9年(1797)3月 造立
境内社
津島神社(素戔嗚命)三嶋神社(祭神不詳)
秋葉神社(火乃迦具土神) 浜川神社(祭神不詳)
棟札
1 天文12年(1543)8月24日 本殿上葺
2 元和7年(1621)11月29日 本殿造立
3 寛永15年(1638)12月15日 本殿再造
4 万治3年(1660)9月 本殿再造
5 寛文12年(1672)1月 上葺
6 元禄3年(1690)9月 本殿造営
7 元禄12年(1699)9月 上葺
8 宝永7年(1710)2月 本殿造立
9 享保6年(1721)2月3日 本殿並上屋造立
10 延享元年(1744)12月12日 本殿造営)
11 明和2年(1765)5月 奉請三嶋宮大明神守護
12 明和6年(1769)7月12日 奉上地三嶋大明神宮
13 寛政9年(1797)3月 本殿造営
14 文政11年(1828)拝殿新造建
参考文献
松崎町史資料編 第1集 神社・寺院編
本殿 |
風化した狛犬 |