道部神社

公開日 2020年12月10日

鳥居

所在

松崎町道部387

祭神

水波能売命

 由緒

道部の氏神で、集落の北側岩科川の河口近くに山を背にして鎮座し社殿境内も整備されている。

草創については詳らかではないが、最古の棟札に寛永6年(1629年)新造とあり願主が宮内氏であることから、豆州志稿ではもとは宮内氏の鎮守なりとしている。

祭神水波能売命は古事記では弥都波能売神と記されていて、灌漑用の水の神とされている。東伊豆町 河津町 下田市などでは水神社の祭神であるが、本社が水神に関係あるかは不明である。

明治以来無格社であったが、隣接の山林を購入したり、氏子より寄附を募るといった努力の結果、大正8年(1919年)村社に昇格した。

拝殿内に大きな絵馬が掲げてある。境内の石垣、玉垣は立派でよく整備されている。

 例祭日

11月3日

 例祭日の行事

獅子舞による村内の浄めを行なう。

式三番叟の奉納、氏子の長男五年生が千代(千歳)の舞、六年生が三番叟の舞を演ずる。11月2日は面をつけないで演じ、3日は面をつける。戦前は11月2日は上道部の熊野神社に奉納していたが拝殿が無くなったのでとりやめになった。

 殿宇

拝殿 昭和15年(1940年)9月再建

覆殿 大正年代(1912年~1926年)造立

本殿 文化11年(1814年)新造

 棟札

一 寛永6年(1629年)9月 新造

二 寛保3年(1743年)9月 新造

三 文化11年(1814年)3月 新造

四 文政4年(1821年)獅子奉納

五 天保13年(1842年)1月15日 三社の祭日の統一

六 大正8年(1919年)5月23日 村社昇格

七 昭和15年(1940年)9月 拝殿建造

 付記

天王祭について

祭神:須佐之男命

例祭日:7月15日

集落のほぼ中央に仮宮を設ける。祭神は津島天王とか牛頭天王などと呼ばれるが、これは天竺の牛頭天王と日本の神話の須佐之男命の習合した神で、疫病や災厄などから、人々を守ってくれる神として全国に分祀社が多い。また天王祭は水神の祭りでもあるといわれている。

7月14日の夕刻、大万灯を持つ若者の先導で万灯をもった子供達が浜降りをして、集落の家々の戸口で、洗垢離の祭文を唱える。近年は祭文のなかの家内安全が家の職業によっては、商売繁盛や交通安全になったり、豊年万作ともなるという。途中、川で洗垢離をする、最後にも浜降りをして終る。

洗垢離

(先導の音頭)

家内安全 (商売繁盛) 帰命頂来

(唱和) 

懺悔懺悔 六根清浄 日本総社 牛頭天王 愛愍納受 一致礼拝

参考文献

松崎町史資料編 第1集 神社・寺院編