国柱命神社

公開日 2020年12月08日

所在

松崎町岩科南側176-3

祭神

国柱命

 由緒

創立年月日は詳かではないが、式内社で、延喜式神名帳には「伊豆国那賀郡二二社国柱命神社」とあり、また伊豆国神階帳によれば、「従四位上国原姫の明神」とある。いずれにしても当地開殖の祖神で、他から勧請した神社ではない。古くは岩科の宮と称し、後に伊勢神明宮又、単に神明宮とも言ったが、明治18年国柱命神社と復称した。本殿内に「建治2年(1276年)大歳丙子3月29日平泰行藤原重安」と墨書した御霊代奉安板札を安置している。これにはまた元応元年(1319年)9月19日の日付もみえる。板の中央上部に直径十数センチメートルの正円の日焼け跡あり、今は失われた鏡があったものと思われる。

現在地より少し下ったところに下屋敷という所があり、社伝によればこれは旧社地で、中世に現在地に移ったという。また、ここに古井戸があって、上古の神饌水であったとも言われている。近辺には神社に縁のある地名(宮畑、神田、神奈場その他)が数多く残っている。

もと岩科村の枝郷であった道部村が、寛文4年(1664年)に分離独立した後も、棟札五に明記されているように、現在の岩科8区と道部区を氏子とするこの地域の総鎮守であった。「岩科」が国柱の転訛で、イワシラ更にイワシナと訛ったものと考えられる。

 特徴

境内には、神木といわれる町指定天然記念物の樹齢数百年とみられる大きなクスノキの樹群があり、イチョウやスギ、ヒノキの古木と共に森厳な神社の社の雰囲気を漂わせている。このクスノキは、社伝にいう中世現在地へ遷宮の時の記念樹かも知れない。

 例祭日

7月16日前後の日曜日(平成3年までは7月16日)

 例祭日の行事

一 御神楽渡御の儀、国家安泰、村内安全、氏子無事長久を祈願したものであるが、病者がこの御神楽に触れば直ちに全快すると伝えられた。

二 千度参り 例祭日の2日前の夜、地元山口集落の氏子が神社に集まり、神社と鳥居の間約150メートルを往復して、厄除け安全祈願のための「千度参り」を行っている。

三 大般若経転読、明治初めの「神仏分離令」により、神社における仏教的行事はなくなった筈であるが、毎年の例祭日当日、岩科地区の五か寺の住職と氏子総代によって、拝殿における奉納行事として行っている。

 殿宇

拝殿 宝暦13年(1763年)6月 造立

幣殿 造立年月日不詳

覆殿 造立年月日不詳

本殿 嘉永3年(1850年)3月 造立

社務所 造立年月日不詳

 境内社

茂山神社(山口の氏神) 小鷹神社(指川の氏神) 琴平神社

社宝

境内のクスノキ(町指定文化財の天然記念物で、最大目通り7.87メートルで5本)

 

参考文献

松崎町史資料編 第1集 神社・寺院編