諏訪神社

公開日 2020年12月03日

 

所在

松崎町岩科北側691(中村)

祭神

建御名方命(たけみなかたのみこと)

由緒

縄文遺跡として古くから知られている岩科西の段を見渡す山の中腹に南面して鎮座している。伝えられるところによると、元は西の段にあり、規模宏大で末社数十座(八十八社ともいわれる)を有していたが、中古火災にあい、社殿、旧記録のすべてを焼失したという。現在も西の段のすぐ下のほぼ平地になったあたりに祀られている小社が数社あるが、かつて隆盛を極めた時の名残りを物語るものであろう。

一方、2枚ある明和9年(1772年)9月の棟札の2枚目では、延宝8年(1680年)の棟札を明和9年に書き写したと断り書きしてあり、それによると「諏訪大明神の草創は久しいが、年を経て大廃し嘆かわしい事であったが、当村中村の清右衛門親知が施主となって石宮一宇を再興し云々」と記されている。現社殿の裏正面に、高さ1メートル弱の古びた石宮が鎮座しているが、現社殿との位置関係や、前記施主の末裔によって現在まで祀られてきていることなどから、この石宮が延宝8年建立のものの可能性が極めて高いと思われる。

現社殿は文久元年(1861年)11月の造営になるもので、彫刻師石田半兵衛邦秀(推定・61歳頃)の円熟期の衣飾彫刻は見事である。

 例祭日

2月11日

以前は2月15日であったが、近年になって改められた。

殿宇

拝殿 なし

覆殿 昭和5年(1930年)9月9日 造立

本殿 文久元年(1861年)11月 造立

境内社 2社あるが、祭神等は不明

 社宝

本殿彫刻

 棟札

一 享保9年(1724年)11月 鳥居建立

二 享保11年(1726年)2月 石壇建立

三 明和9年(1772年)9月20日 本殿重造栄(2枚)

四 文久元年(1861年)11月 遷宮

五 明治29年(1896年)11月3日 鳥居再建

六 昭和5年(1930年)9月9日 覆堂改築

参考文献

松崎町史資料編 第1集 神社・寺院編