No.1)峰の神楽 2020年10月号

公開日 2020年10月01日

  No.1として紹介させていただくのは、町指定民俗文化財に登録されている、【峰の神楽】についてです。

1 由来

 峰の津島神社の神楽の伝承は、田方の原木の獅子舞からとも、伊勢神楽の系統とも言われています。定かではありませんが、江戸時代から伝わるものとも言われ、「家内安全」、「村内繁盛」、「五穀豊穣」を目的に行われてきました。余談ですが、津島神社の本殿には、堂宮彫刻師石田半兵衛の獅子が所蔵されており、これは文化13年(1816年)、本殿を造営の際、棟梁を務めた石田半兵衛が、お礼に作成したと言われている雌獅子です。

祭り01

津島神社

石田半兵衛獅子

石田半兵衛作の雌獅子

2 組織・伝承

 昔は、赤心社という青年団体が中心になって神楽を舞っていました。舞は①下がり端(は)、②鈴の舞、③狂いの舞、④剣の舞(現在は舞われていない)で、通して一時間余りかかりますが一人で舞ったということです。戦時中は一時中断され、戦後に再び実施されました。その後、社会情勢の変化や若者の減少などで、赤心社が昭和39年に解散し、それに伴い、神楽も一度姿を消しました。
 昭和545年頃になって、中学校の郷土学習でふるさとの芸能を学ぼうという授業がありました。その時に、「神楽を教えてほしい」との依頼を受け、地区の古老が教えたのがきっかけで神楽が復活したということです。地域の伝統文化を見直すために、赤心社も活動を再開しましたが、その後解散され、平成25年からは峰神楽保存会が実施しています。

下がり端(は)

下がり端(は)

鈴の舞02

鈴の舞

狂いの舞03

狂いの舞

3 上演の時期、及び場所

 古くから7月14日が宵祭り、15日が祭典日でしたが、多くの区民や子どもたちが参加しやすいように、平成元年から7月15日前後の土、日曜日に実施するようになりました。宵祭りには悪魔祓いの神楽が地区内の数箇所を回り、岩科川で洗垢璃が行われ、祭典当日は、津島神社で祭典式と、神楽が奉納されます。
 奉納神楽は、正月元旦にも行われます。

洗垢璃01

洗垢璃

区内練り01

区内練り01

区内練り02

区内練り02

 今回は、峰神楽保存会の方にご協力いただきながら、【峰の神楽】について紹介させていただきました。もっと詳しくお知りになりたい方は、松崎町立図書館にあります松崎町史資料集第4編民族編(下巻)、もしくは、松崎町史資料集第1編神社・寺院偏をご覧ください。
 次回は、町指定民俗文化財【峰輪の神楽】について紹介させていただきます。

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