長老が語る

公開日 2016年02月04日

松崎一番の長老である嘉市さんに、なつかしい昔の松崎の様子やこれからの松崎町への期待を語っていただきます。

松崎町に初めて来た時の印象は?

生まれ故郷の九州天草と景色がよく似ていてすぐに気に入りました。
商店街がとても賑やかで、松崎は、岩科、中川,仁科をひかえているので「いずれ西伊豆の中心地となって栄えるだろうな」と思いました。
 

当時どんな仕事をしていましたか?

仁科(一色)の須田さんがやっていたタクシー会社を引き継いで、昭和3年から「力行タクシー」を始めました。
車はスターやフォードといったアメリカ製のもので、「ヘンリー野田」なんてニックネームを使って、同僚の「ジョージ」「ウィリー」と洒落で呼び合っていました。車が珍しい時代でハイカラな商売でしたね。
財閥の別荘が堂ヶ島にできてからは道路も伸び、その方々をタクシーに乗せて松崎を案内しました。
その他の客層としては、医者の往診や結婚式客が多かったですね。
下田まで遊びにいく若い人達もたくさん乗せました。料金は松崎-下田間で4円ほどでした。
その後、昭和5年の大火で事業所が燃えてしまいましたが、車は避難させてなんとか無事でした。戦後は自転車屋を始めて現在にいたります。
4~5年前までは、自転車のリム作りなどで息子の手伝いをしていました。
 

当時の松崎の経済情勢や生活の様子はどのようでしたか?

暮し向きはそうよくありませんでしたが徐々によくなり始めて活気は溢れていました。ご承知のようにまゆ産業が盛んで、長野から大勢の業者さんが訪れていました。
船が交通手段でしたので、陸上では私のタクシーをよく使っていただきました。
若者の遊びといえば、やはり「三省社」(地元の若い人達の組織)でしょうね。皆で集まって祭の準備をしたり、下田へ遊びにいったりと交流が盛んで楽しかったです。
芝居小屋にもよく観に行きました。
妻が下田の女学校を卒業しているため、2人で下田までドライブした思い出もあります。
 

その後生活はどのように変わりましたか?また今の暮らしはいかがですか?

どの家庭もよい家に住み、家電製品や車も当たり前になって、生活水準はたいへん良くなりました。申し分ないです。
今は毎日規則正しい生活を送っています。食事もゆっくり時間をかけて、散歩も那賀川沿いをのんびりと歩いています。新聞を読むのも毎日の日課です。
 

現在の松崎の環境はいかがでしょう?

川の汚れが目立ってきたのでぜひ綺麗にしていただきたいです。
那賀川も昔は水量が多く澄んでいて、この辺(宮内)でもよく川遊びをしたものです。

 

 最後に松崎町のどこが好きですか?

やはり、のどかな感じが大好きです。今の風景をいつまでも大切にしてほしいですね。
場所では弁天島の見える浜が大好きです。


ご協力ありがとうございました。
嘉市さんは現在も、まめでよく気が付く方で、息子さんのお茶がなくなると「二郎にお茶を」とお嫁さんに気づかっていました。
すっと伸びた背筋がとても印象的で、年齢よりもずいぶんと若々しく感じました。
いつまでもここ松崎で元気に暮らして下さい。

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