あとがき

公開日 2016年02月04日

松崎の「花とロマンの里」の小冊子をまとめるようにと、松崎町からいわれ、それまでは松崎が好きで十数年にわたって折りあるごとに訪ね、遊びまわっていたとはいうものの、腰をすえて調査をしていたわけではなかったので、〈ハタ〉と困った。
松崎の風物に心ひかれるままに訪ねまわっているというだけでは、みじかい随筆、紀行ガイドのたぐいを書く程度ならいざいらず(それでも書くということは大変だが)、小冊子にするならと、これはかなり腰を入れねばなるまいと思った。
それから約半年、いく度か訪ねなおしたり、構成を考えてはこわしたり、いろいろな方に意見を聞いたりして、また手に入るかぎりの文献をあさったりしては、不明な点が出てきて、また松崎の里をふらふらと歩きまわったり、通りがかりの老人をつかまえて、あれこと聞いてまわったりした。
そんなふうに、とつおいつまよいながら、書いては破り、また書き直したりで、結局まだ第1歩の段階というところで、ひとまず活字にしてもらうことにした。
内容の構成で、いろいろと考えた末、次のように組み立てた。
松崎は、中川、岩科などいくつかの町村の合併によってできた町なので、それぞれの地区に独自の歴史が刻まれている。それらがあるときは混然として一体となったり、またあるときは別個な歩みを示していたりする。それをひとまとめにしてしまうのは、なかなかむずかしい。無理にすると、話があっちこっちととんでしまって、かえって判りにくい。
そこで、おおよそのブロックを考えてみた。
1.弁天島から岩科川河口へかけての現在の松崎の街を中心としての一帯。
1.岩科川にそって奥へ続く一帯。
1.小杉原、大沢など那賀川の上流圏の一帯。
1.松崎の南部の三浦といわれる岩地、石部、雲見の一帯。
などおおよそのブロックを設定し、それをタテの糸で追いながら歴史を展望し、部分的に横糸をからませて解説してみた。
そのため、ある部分ではかなり重複した記述ができてしまったが、〈別記参照〉があまり多いと読みにくいので、あえて重複のままにしたところもある。
また、調査不足と、文献が手に入らなかったり、確認できなかったりで、説明不足のところが生じたり、部分的にふれることなく歴史の時代が飛んでしまったところなどがあるので、それらについては次の機会に追補、訂正をこころみたいと思っている。
本書は、〈松崎のロマン〉を探った、ささやかな第一歩であるから、不足、あやまりは多々あることと思う。皆様方の御教示をいただいて、さらに調査を重ね、よりよいものにしていきたいと念願している。
終わりに、この本をまとめるにあり、町長、町長公室長はじめ、数多くの方々、いちいちお名前はあげきれませんが、いろいろお世話になりました。厚くお礼申し上げます。

野口 冬人 竹村 節子

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