松崎蔵つくり隊「なまこ壁の土蔵造りプロジェクト

公開日 2016年01月27日

DSC_1271松崎では、本格的な土蔵づくりは70年ほど前に施工以来実施されておらず、現在の左官職人でも小舞かきからなまこ壁までの全工程を経験する機会はありませんでした。幸いにも、平成18年度に、なまこ壁技術伝承事業により伊豆文邸のなまこ壁修復作業を行う機会を得、多くの貴重な経験を積むことができました。今回この経験を生かし、なまこ壁の土蔵を新築することにより、その歴史的な価値を広く認識していただくと共に伝統技術の掘り起こしと継承を図り、内外に左官のまち松崎町を広くアピールしていく契機としたいものです。また、平成21年10月に静岡県で開催予定の国民文化祭事業への参加についても視野に入れ、平成20年度からの2カ年継続事業としての取り組みを考えています。施工にあたっては、なまこ壁技術伝承事業補助金を活用し、作業は、松崎蔵つくり隊を中心にボランティアと左官職等が協働で取り組み、材料についても、古民家の瓦の再利用や間伐材を活用し、経費的にも廉価になるような対応を考えています。土蔵の設置場所は、伊豆の長八美術館前の町有地とし、完成後は町の施設としてボランティアガイドなどの待機所やバス待合所の活用も期待されます。

松崎蔵つくり隊とは[PDF:45KB]

落成(平成22年3月28日)

DSC_6798
▲落成式にて行われたテープカットは、落成式に参加した隊員やこれまで蔵造りに携わった方全員で行いました。

DSC_6846
▲落成式終了後の記念写真

完成した「夢の蔵」について

実施主体 松崎蔵つくり隊(代表:関 賢助)
施工期間 平成20年9月から平成22年3月(19カ月間)
※構想や準備期間を含めると26カ月間
建築費 3,000,000円
(県や町の補助金を活用)
規模 建築面積:約3坪
高さ4メートル、横幅約4メートル、奥行き約3メートル
なまこ壁部分40平方メートル
参加人数 延べ600人余
活用方法

バスの待合場所、人力車ステーション
なまこ壁建物実物説明など多目的に活用

これまでの活動状況

DSC_0046 1-1k 0-2 0-3
平成20年6月18日
環境センター研修室にて、今年度から2カ年計画で伊豆の長八美術館前の町有地に土蔵を造る計画について打合せが行われました。
平成20年6月24日
蔵つくり隊のメンバーである三島市の造園業者さんが植え込みの剪定、移動作業を行いました。
平成20年7月4日
環境センター研修室にて、土蔵の名称や今後の作業活動について打合せが行われました。
平成20年7月10日
蛇石峠付近の岩科財産区所有林から土蔵の建築材とする杉の間伐材40本を運び出しました。
0-4 0-5 0-6 0-7
平成20年7月20日
土と藁を混ぜ、土蔵の壁に使用する土づくりを行いました。
平成20年7月25日
南伊豆町の鈴木鍛冶屋にて外壁作業の際に使う足場を支える「折れ釘」を製作しました。
平成20年8月11日
環境センター研修室にて、起工式について打合せが行われました。
平成20年9月6日
建設予定地の伊豆の長八美術館前の町有地にて地鎮祭を行いました。
0-8 0-9 0-10 0-11
平成20年9月6日
基礎工事に着工しました。
平成20年9月10日
柱や梁を釘を使用せずに固定するために、木材に刻みを入れる作業を行いました。今後、現地で組立てる際にクサビなどを使って固定していきます。
平成20年9月17日
環境センター研修室にて、今後の作業日程、建前の日程について打合せが行われました。
 
平成20年9月23日
建設予定地の伊豆の長八美術館前にて加工した木材の組立て作業が行われました。
0-12 0-13 0-15 0-16
平成20年9月23日
木材の組立て作業終了後に建前を行いました。
平成20年9月28日
長八フェスティバルに併せ、建前の餅投げを行いました。
平成20年10月6日
環境センター研修室にて、今後の作業日程について打合せが行われました。
また、11,12日に行う「木舞かき」について模型を使用して工程を確認しました。
平成20年10月11、12日
「木舞かき」と呼ばれる土蔵の骨組みになる竹を編む作業を行いました。
0-17 0-18 0-19 0-20
平成20年10月17日
建築中の土蔵前から、SBS静岡放送「テレビ夕刊」の生中継が行われました。当日は、メンバーも出演して「木舞かき」の作業を行ったほか、録画映像でこれまでの活動が紹介されました。

平成20年11月9日
荒壁塗り作業。外壁に7月に藁と土を混ぜ発酵させておいた土を塗りつけました。

平成20年11月16日
荒壁塗り作業。内壁に土を塗りつけました。
平成20年12月13日
中塗り用土作り作業。
中塗りに使用する土作り作業を行いました。
0-21 0-22 0-23 0-24
平成21年2月1日
中塗り作業。荒壁の上に濾して小石などを取り除いた土に砂と藁を細かく刻んだものを混ぜた中塗り用の土を塗り重ねました。今月中には、なまこ壁に使用する瓦等(解体される古民家から譲り受けたもの)の清掃作業を行う予定です。
平成21年2月21日
瓦清掃作業、ビャク杉の釘製作作業。解体される古民家から譲り受けた瓦についた漆喰などを削り落とし、再使用できるように清掃する作業と、その瓦を貼り付ける時に使用するビャク杉の釘を製作する作業を行いました。
平成21年3月8日
なまこ壁スミ出し作業。瓦張り作業。瓦を張りつける位置を決めるスミ出し作業と古民家から譲り受け、清掃した瓦を土蔵に張りつける作業を行いました。
平成21年3月11日
瓦収集作業。土蔵の外壁部分のなまこ壁に使用する瓦を古民家から譲り受け、1枚1枚丁寧に剥がしていきました。
0-25 0-26 0-27 0-28
平成21年3月15日
瓦張り作業(続き)
先週に引き続き、土壁に瓦を張りつける作業を行いました。
平成21年4月11日
なまこ壁炭出し、下塗り作業。土蔵に張りつけられた瓦と瓦の間に漆喰を盛り付けました。今回は下塗りで、今後中塗り、上塗りと塗り重ねて盛り上げていきます。
平成21年4月19日
なまこ壁下塗り作業(続き)先週に引き続き、なまこ壁の下塗り作業を行いました。
平成21年4月30日
扉試作品製作作業。なまこ壁完成後に窓に取り付ける扉の試作品製作作業を始めました。扉も現在では、ほとんど作られていないため、試作品を製作する過程で、問題点を解消することで、技術を身につけていきます。
0-29 0-30 0-31 0-32
平成21年5月6日
正面引戸制作作業。
なまこ壁の土蔵を所有している方より寄贈を受けた引戸の加工、補修作業を行いました。
平成21年5月10日
なまこ壁中塗り作業。4月に下塗りを行ったなまこ壁の中塗り作業を行いました。
平成21年5月24日
なまこ壁中塗り作業(続き)5月10日に引き続き、なまこ壁の中塗り作業を行いました。
平成21年5月29日
小壁部分なまこ壁上塗り(仕上げ)作業。
メンバーの左官職人らにより小壁のなまこ壁の上塗り作業を行いました。
0-33 0-34 0-35 0-36
平成21年6月14日
なまこ壁中塗り作業。
5月24日に引き続き、なまこ壁の中塗り作業が行われました。
平成21年6月27日
観音扉(試作品)金具製作。今年の初めから準備していた観音扉製作のため、扉の金具を製作。試作の金具は、これで4回目となりました。既製品も図面もないため、試作品の製作を通し、試行錯誤を繰り返しながら観音扉の製作を行っています。
平成21年7月18日
窓扉試作品完成。
5カ月間試行錯誤を繰り返していた窓扉の試作品が完成しました。今後は、いよいよ実際に蔵へ取り付けられる窓扉の製作に着手します。
平成21年7月21日
松崎高校美術部による蔵製作過程の絵本作りが始まる。松崎高校美術部員が、蔵つくり隊長の関さんを訪ね、鏝について詳しく教えてもらいました。今後も、さまざまな活動に参加し、製作過程を絵本に仕上げるそうです。
0-37 0-38 0-39 0-40
平成21年7月24日
松崎高校生美術部「折れ釘」製作体験。松崎高校美術部5人が、蔵つくり隊のメンバーである南伊豆の鈴木鍛冶屋を訪ね、鈴木さんの「折れ釘」製作を再現してもらうとともに、鍛冶体験もしました。
平成21年7月26日
上塗り(仕上げ)用漆喰制作作業。上塗り(仕上げ)に使用する漆喰を製作しました。
平成21年7月26日
なまこ壁仕上げ作業。
蔵つくり隊メンバーにより、中塗りまで終了したなまこ壁の上塗り(仕上げ)作業を行いました。上塗り(仕上げ)作業は、今後も継続して行われます。
平成21年8月9日
なまこ壁仕上げ作業。
蔵つくり隊メンバーにより、前回同様になまこ壁の上塗り(仕上げ)作業を行いました。上塗り(仕上げ)作業は、1本を仕上げるのに時間がかかるため、今後も継続して行われます。
0-41 0-42 0-43 0-44
平成21年8月9日
なまこ壁仕上げ作業(建物裏側)蔵つくり隊メンバーにより、前回同様になまこ壁の上塗り(仕上げ)作業を行いました。
平成21年9月6日
なまこ壁仕上げ作業(美術館側)蔵つくり隊メンバーにより、前回同様になまこ壁の上塗り(仕上げ)作業を行いました。

平成21年9月23日
なまこ壁仕上げ作業(美術館側)観音扉取り付け作業。蔵つくり隊メンバーにより、美術館側のなまこ壁の仕上げと観音扉を取り付けるための作業が行われました。

平成21年10月11日
なまこ壁仕上げ作業(正面、美術館側)
蔵つくり隊メンバーにより、前回同様になまこ壁の上塗り(仕上げ)作業を行いました。
0-45 0-46 0-47 0-48
平成21年10月11日
正面防火扉設置作業。
土蔵正面の防火扉の設置作業が行われました。この防火扉は、雲見地区の高橋紀正氏所有の土蔵にて使用されていた防火扉です。蔵つくり隊では、この扉を高橋氏から寄贈していただき、修復を行った後に夢の蔵へと再利用しました。
平成21年10月25日
国民文化祭なまこ壁つくり体験。
なまこ壁つくり体験(仕上げ作業)が行われました。前夜の「左官文化を語る会」の講師である原田 進氏、挾土秀平氏も特別参加し、技を披露しました。
平成21年11月29日(日)
観音扉の製作、のし瓦下塗り作業。蔵つくり隊メンバーにより、観音扉の製作やのし瓦の継手に漆喰を塗る作業が行われました。
平成21年12月13日(日)
のし瓦仕上げ作業。蔵つくり隊メンバーにより、のし瓦の継手の仕上げ作業が行われました。
0-50 0-51 0-52  
平成22年1月31日(日)
土蔵基礎のモルタル仕上げ作業
外溝工事
蔵つくり隊メンバーにより、土蔵基礎のモルタル仕上げや外溝工事を行いました。
平成22年2月6日(土)
土間コンクリート打設作業
蔵つくり隊メンバーにより、土蔵土間部分のコンクリート打設作業を行いました。
平成22年3月14日(日)
外溝工事
 

お問い合わせ

松崎町役場 企画観光課
住所:〒410-3696 静岡県賀茂郡松崎町宮内301-1 本庁2F
TEL:0558-42-3964
FAX:0558-42-3183

PDFの閲覧にはAdobe社の無償のソフトウェア「Adobe Acrobat Reader」が必要です。下記のAdobe Acrobat Readerダウンロードページから入手してください。

Adobe Acrobat Readerダウンロード