伊豆の長八美術館

公開日 2016年02月03日

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国道136号線沿いにひときわ目立つ白い会館が、〝漆喰芸術の殿堂〟として、昭和59年7月14日オープンした「伊豆フ長八美術館」で、斬新ユニークな建物自体が吉田五十八賞を受けた。江戸時代の劇場建築を思わせる側面外壁は、カラロール仕上げの腰になまこ壁を配し、モダンな正面入り口をアートレリボー仕上げ、中庭外壁は土佐漆喰仕上げ、館内の天井・壁面は白壁造りとなっている。設計監理ダムダン空間工作所、建築工事竹中工務店、それに左官工事は日本左官業組合連合会が名工を全国から総動員して全面協力、現代左官技術の粋を集めて完成された。鉄骨鉄筋コンクリート造り、一部2階建て、建築面積430.30㎡、のべ床面積434.9㎡、事業費は2億849万9,000円。関連付帯施設に野外劇場、民芸館カサ・エストレリータがある。展示館は2棟にまたがっており、松崎の生んだ鏝と漆喰の名工・入江長八の作品が約50点展示公開されている。この漆喰芸術の殿堂は海外にまで話題と反響をよび、オープン以来1年間の入場者数は約11万人に達した。年中無休、開館時間は毎日午前9時~午後5時、入館料 大人500円、中学生以下無料。

展示作品のうち、主な物は次の通り。

〔唐詩春暁の図〕
明治8年(1845)の作といわれ、旧岩科村役場建物の内壁にあった。
高さ約182cm、幅約91cm。
「日昇り眠り足って尚起きるにもの憂し。遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き、香炉峰の雪はすだれをかかげて看る」の漢詩をモチーフとした作品。らんかんと床の線が江戸時代特有の逆遠近法で表現されている。

〔貴人寝所の図〕
明治8年の作、これも旧岩科村役場の内壁。
大きさも同じく高さ182cm、幅91cm。
ひたたれ、えぼし姿の貴人が火鉢を前に、枕を引き寄せて人待ち顔の様子。
そばに童子が1人。冬の夜長をもてあましている風情が描かれている。

〔ホーロクの静御前〕
明治13年(1880)の作。
焙烙(素焼きの土鍋)に、源義経の側室となった静御前を描いたもので、着物の衿や打掛けの模様もすべて漆喰。

〔青不動明王〕
明治21年(1888)の作。
赤不動・黄不動と共に〝日本三大不動〟とされている青不動明王を、掛け軸に描く。
これは三島・龍沢寺で参禅した長八が、天祐居士と号することになった折、その記念にと精魂を傾けて描いたもの。
左右に童子を従えた不動明王の姿は勇ましく、迫力がある。

〔近江のお兼〕
明治9年(1876)の作。
白地に金砂子をまいて、栗毛の奔馬を藍絞りのきもの姿のお兼が、うちわを手にして下駄で手綱を踏みしめながら、空のホトトギスを眺めている図。
額と額ぶちともに漆喰仕上げ。
 

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